Chihoのちょっとした話

 

【バルトリ、侍スタイルの謎を解く】

 7月30日、プルエーで行われたGPウエストフランスのゴール直前で、独走しトップを走っていたバルトリが腰に手をあて、刀を抜きとるように空へ高く手を上げ、プシュッと切るように振り下ろす侍スタイルでゴールした。それをテレビでい見ていた私は、「なんて画期的なスタイルでゴールするんだ!」とイタリアの侍を見ておどろいた。でも、なぜゆえ侍スタイル?日本人にふきこまれたのだろうか?疑問が頭の中をよぎった。これは、ぜひともバルトリにあってその真相を聞かなくては…。

 9月9日、ツール・ド・フランス以来のレースを観戦しに、パリ〜ブリュッセルのスタート地点ソワッソンへ行った。三船選手が参加するはずだったのに、土壇場で出場できなくなり、残念がっていたところ、なんとこのレースにバルトリが出場している。これはいいチャンスだ!

 出走サインをした後のバルトリを捕まえて話を聞いてみた。

C:「プルエーで侍スタイルでゴールしたけれど、あれはどうしてですか?」
B:「数ヶ月前に侍の本を読んで、侍の精神に興味を持ったんだ。」 

C:「侍スタイルはプルエーがはじめてだったんですか?」
B:「イタリア選手権で優勝した時が、はじめてだったんだ。だから、2回目だね。」

C:「侍と言えば日本ですが、日本に興味はありますか?」
B:「日本へは行ったことがないけど、機会があれば行ってみたいね。」

C:「次の侍スタイルが見られるのは、やはりプルエーで行われる世界選手権でしょうか?」
B:「どうかな?でも、世界選は勝ちたいね。」

 「フランス語は苦手なんだよね」と言いつつも、バルトリは結構気さくに話してくれた。98年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで優勝した時の記者会見で、私ははじめて生のバルトリの話を聞いたのだが、クールで無口そうだと思っていた私の印象とは違い、よく喋る人だな〜と思ったのを思い出した。それにしても、侍スタイルが本の影響だったとは。

 バルトリにとっては、4年前からプロに開かれたオリンピックより、長年プロにとって歴史のある世界選手権の方が重要だと言っていた。GPウエストフランスと同じコースだが、世界選手権では70キロ距離が伸び、総距離は266キロなるので難度は上がる。このコースはチミルやフレイレ向きのゴールスプリントになるだろうと言う選手もいるが、最後のなだらかな坂でアタックを仕掛けることが可能なので、バルトリはスプリントにはならないだろうと予想している。

 さてさて10月15日に行われる世界選手権でバルトリ侍は見られるのであろうか?乞うご期待!

 

9月25日
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