SAMEDI 28 AVRIL 2001 

 

【アムステル・ゴールドレース実況】

ワールドカップ第5戦のアムステル・ゴールドレースは、オランダのマーストリヒトからスタートし、255キロ走って再びマーストリヒトにゴールするコース。昨年は、ザベル(ドイツ、ドイツテレコム)が優勝したが、今年の予想では、99年に優勝したボーヘルト(オランダ、ラボバンク)が一番人気で、次にヴァインシュタイン(ラトビア、ドモ)やデッケー(オランダ、ラボバンク)などの名も挙げられている。忘れちゃならないのが、このレースにアームストロング(アメリカ、USポスタル)も出場。さて、どうなりますか?

天気はよい。口蹄疫の問題で、今年はコースが少し変わっている。最初は12人で逃げていたようだが、ベッティーニ(イタリア、マペイ)が落車し、消えてしまった。ただ今11選手が先頭。この中には、ヒンカピ(アメリカ、USポスタル)、チミル(ベルギー、ロト)がいる。ツール・ド・フランスでヒンカピに殴りかかったブレイレーフェンス(オランダ、ロト)も同じグループだ。3分15秒差で集団はラボバンクが引く。先頭グループにいたクローン(オランダ、ラボバンク)がパンクで遅れをとるが追いついた。(15時05分現在)

コウベルグの上りを通過したとたん、雨が降ってきた。コウベルグで先頭グループはチミル、ヒンカピ、ペティート(イタリア、ファッサボルトロ)、パオリーニ(イタリア、マペイ)、ロドリゲス(アメリカ、ドモ)、ケスレー(ドイツ、ドイツテレコム)、オルテンジ(イタリア、メルカトーネウノ)、クローンの8選手になる。ブレイレーフェンスはいなくなった。お〜、ケルメからチームコーストに移籍したエスカルティン(スペイン)が集団にいる。ジャージが違うのでピンと来ないな。先頭グループとラボバンクが5人で引く集団は1分5秒差。残り62キロ、先頭でペティートやチミルがアタックをかける。(15時30分現在)

先頭グループと集団との差は55秒。集団がかなり伸びている。集団は50人ほどでザベル、ヴァインシュタインの姿はない。アタックで先頭グループは、チミル、ペティート、パオリーニ、ヒンカピ、ケスレーの5選手に絞られ、先頭と集団との差は1分2秒差になった。集団からファンボン(オランダ、メルキュリー)がアタック!これに、デッケーがついて行く。バゲ(ベルギー、ロト)も一歩遅れてついて行く。バゲは先頭にエースのチミルがいるので、ついて行くだけ。この3選手はほどなく集団に戻った。先頭の5選手はとりあえず順調に走っていると思ったら、補給地点を過ぎたところで、いきなり集団に吸収されてしまった。これで、レースはふり出しに戻った。残り47キロ。(15時50分現在)

デッケーがアタック!後ろにピッタリ、ミュセーウ(ベルギー、ドモ)がつく。ミュセーウ、今日は調子がいいようで先ほどからラボバンク勢の後ろでチャンスを狙っていた。でも、残念ながらすぐに吸収。おお〜、アームストロングがアタックした!マッゾレニ(イタリア、タッコニ)がついて行く。でも、後ろにつくだけで前には出ない。これじゃ、アームストロングの一人逃げと変わらないぞ。後ろはボーヘルト、デッケー、チミル、バゲー、レベリン(イタリア、リキガス)、バッスー(フランス、USポスタル)などの小さなグループがアームストロングを追う。先ほどまで逃げていたヒンカピは、かなり疲れているようで集団から取り残されつつある。追走グループからデッケーが一人で飛び出した。いつもの一人走行。デッケー、アームストロングに追いつくか?(16時05分現在)

あぁぁぁぁ〜、アームストロングを追っていたチミルが道を間違えたらしく、変なところで止まってしまった。これは痛い!このレース、カーブやロータリー交差点が多く、チミルはロータリーと間違えて横に行ってしまったようだ。せっかく追走グループにいたのに…。このため後ろの集団に吸収されてしまった。やる気満々で走っていたチミル、ついてない!落車じゃないけど、精神的、体力的に苦しくなってしまった。デッケーがアームストロングに追いついた。これで先頭は3人だ。でも、相変わらずアームストロングが引くのみ。やっとマッゾレニ先頭に出ても、アームストロングには物足りないようですぐまた先頭に立つ。先頭とミュセーウ、ボーヘルト、ロッツ(オランダ、ラボバンク)、ヴァンペテヘン、バルトリの追走グループとの差は55秒。先頭3人は勾配22%のキュテンベルグを上る。ここでマッゾレニは消滅。先頭は2人だ。ボーヘルトのグループが通過したあと、レベリンなど4人が通過し、そのあとに、チミル、ヴィノクロフなどが通過した。(16時25分現在)

アームストロング&デッケーは、先頭交代しながら進む。それを追う5選手は、ラボバンクが2人いるためなかなかスピードが上がらない。後ろから、レベリンのグループに追いつかれた。3度目のコウベルグののぼりに入る。おっと、まだいたマッゾレニ。44秒差で先頭を追う。来た〜、アームストロングがアタックだ。1分40秒遅れで追走グループが上りに入る。バルトリ、パワーがない。ファンペテヘンのみ元気がいいようだ。先頭はのぼりを越えたデッケーとアームストロング。デッケーがアームストロングとのスプリントで勝つ確立はどうだろう?このまま逃げるべきか、エースのボーヘルトを待つべきか?差は1分20秒になったが、ゴールはもうすぐだ。11キロ手前の最後の上りに入った。(16時45分現在)

ボーヘルト、M・ツベルク(スイス、ラボバンク)のラボバンク2選手と、ミュセーウ、バゲ、レベリン、バルトリ、ペース(ベルギー、コフィディス)、ファンペテヘンが先頭2人を追う。おおお〜、ヴァンペテヘンが前輪パンクだ。先頭はなぜかデッケーが引いている。解説者も「デッケー、良く分かりませんね〜」と言っている。マッゾレニがついに追走グループに吸収された。先頭と追走グループは56秒差だ。高速道路を走る先頭2人、風がかなり強いようだ。ロータリーを折り返すコースで、先頭2人と追走グループがすれ違う。バゲがアタックした。いよいよ残り1キロだ。デッケー、かなり疲れている様子だが、彼の場合演技かもしれない。アームストロングは、デッケーの後ろにまわって、アームストロングはまったく前に出ない。止まりそうな勢いで走る2人の後ろからは猛烈な勢いでアタックしたボゲーが迫る。その気配に気づいたデッケーが加速!アームストロングも同じく加速する。しかし、あと少しのパワーが足りない。アームストロングは完全にデッケーに前をふさがれたまま、デッケーがガッツポーズでゴールした!3位でボゲが入った。ゴール後いつものようにわーわー泣きながらデッケーは、ボーヘルトと抱きあって喜びいっぱいだった。(17時10分現在)

 

  【結果】  
1. デッケー(オランダ、ラボバンク)  
2. アームストロング(アメリカ、USポスタル)  
3. バゲ(ベルギー、ロト)  
4. B・ツベルク(スイス、ラボバンク)  
5. ミュセーウ(ベルギー、ドモ)  

 

【千穂のちょっとした話】
みなさん、楽しんでいただけましたでしょうか?今日のレースは、アームストロングがレースを面白くしてくれたので、最後まで目が離せないスリリングないいレースでした。残念だったのが、最初に逃げグループで頑張り、そのあとも追走グループで優勝を目指していたチミルのコースミス。あれがなければ、もっと面白い展開になっていたかも〜。最後のバゲはなかなか良かったです。誰でも勝てるチャンスがあればいくというのが今年のロトの方針のようで、いろんな選手が勝ってます。今年のツール・ド・フランス、ロトのワイルドカードでの出場権はほぼ決まっているので、ツールでの活躍が楽しみだなぁ。とりわけ、前半ベルギーでのコース。山はダメでしょ、やっぱり…。

そう言えば優勝したデッケー、ツール・デ・フランドルでは、僅差で優勝逃してたんですよね。だから、これであの時の無念が果せたかな。


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