MERCREDI 18 JUILLET 2001 

【第11ステージ】

朝から雨がザーザーで今日もか〜と思っていたら、レースが始まったとたんに晴れ間が見えはじめた。だが、標高1730mゴールのシャンルスは吐く息が白い。今日は、グルノーブル〜シャンルス間32キロの個人タイムトライアル。それも、タイムトライアルには珍しく上りのコースである。スタートからじわじわ上るコースで、最初に力を使うと最後まで持たない。どこまで力を温存し、どこで力を出すか、緻密な作戦が勝利のカギだ。昨日、ロケット弾のように発射したアームストロングは、ツール前からこのステージが重要なポイントになると、ツール前にすでに4回の試走をし、今日のレースに挑む。一方のウルリッヒは、そこまでの試走はしていないようだが調子はいいようだ。今日の見どころは、この2人の戦いだ。ウルリッヒ、アームストロングが走り出すと空が晴れ渡った。

アームストロングより先に出走したウルリッヒは、順調な走りで今までのタイムを更新するが、後方から来るアームストロンがすぐさま、タイムをぬりかえる。ウルリッヒは、必死の様相で21,5キロの計時点を通過し、最高タイムを打ち出す。いつもは顔色一つ変えないアームストロンだが、少々苦しげな顔で計時点に迫る。タイムは、なんとウルリッヒを上回るコト47秒。誰も寄せ付けないダントツの速さだ。先に出走した2選手を追い抜かしてゴールに入ったウルリッヒは、暫定1位だったが表情は暗く、ゴールで止まるコトなくあっという間に走り去った。モロー、ベロキのあとに、ゴールに入ってきたアームストロングは、ウルリッヒとの差を1分も広げてゴール!昨日の疲れを全く見せないこの走りに、多くの選手が落胆したに違いない。しかし、雨の第8ステージの代償は大きいかった。昨日に引き続き、2度目のステージ勝利を果し、ダントツの強さを見せるアームストロングだが、マイヨジョーヌのシモンとの20分差を覆すコトはできなかった。明日は休息し、明後日からの2度目の決戦、ピレネー山岳コースに突入する。ここで、どうなるか?今年の勝負はまだ続く。アームストロングのマイヨジョーヌはまだ遠い。

 

第11ステージ
1.
L・アームストロング(アメリカ、USポスタル)    1時間07分27秒
2.J・ウルリッヒ(ドイツ、ドイツテレコム)        1分00秒遅れ
3.J・ベロキ(スペイン、オンセ)             1分35秒遅れ
4.R・ライセカ(スペイン、ウスカルテル)         2分03秒遅れ
5.O・セヴィリャ(スペイン、ケルメ)            2分24秒遅れ

総合成績
1.F・シモン(フランス、ボンジュール)          46時間48分36秒
2.A・キビレフ(カザフスタン、コフィディス)        11分01秒遅れ 
3.L・アームストロング(アメリカ、USポスタル)      13分07秒遅れ
4.J・ベロキ(スペイン、オンセ)               16分17秒遅れ
5.J・ウルリッヒ(ドイツ、ドイツテレコム)         16分41秒遅れ

6.C・モロー(フランス、フェスティナ)            18分21秒遅れ
11.L・ジャラベール(フランス、CSCティスカリ)      25分25秒遅れ

【千穂のちょっとした話】
今日はゴールのプレスセンターでテレビを見ながらパソコンしてました。近頃、エクスプローラーのエラー表示が出て、なかなか起動できない私のパソコン。今日もなかなかパソコンを立ち上げることができずイライラ。
レースの方は、ウルリッヒ&アームストロングがゴールする頃には、ゴール地点もすごいいい天気で、朝の雨と寒さがウソのようでした。最後の方は、ゴール横のプレス専用テレビで見ていたのですが、ウルリッヒとアームストロングの差がテレビに出ると、一緒にテレビを見ていた人たちから溜息が漏れました。ゴールして走り去るウルリッヒの後ろ姿が印象的でした。それにしても、ゴール地点はテレビカメラやラジオのインタビュアー、新聞記者などのインタビュー争いで壮絶。特に、このツールで大活躍のジャラベールは、すごい人だかりで、3重ほどの人に囲まれていました。こんなんで、まともなインタビュー取れるんかいな?とちょっと思ってしまった今日のゴール地点。さて、いまから昨日のお宿、ラルプデュエズに後戻り。明日は休息日ですが、私たちは車で大移動日です。

 


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