DIMANCHE 30 SEPTEMBRE 2001 

 

【ヴェルタ 第21ステージ】

ヴェルタ最終日、38キロの個人タイムトライアルが行われた。総合トップのセヴィーリャ(スペイン、ケルメ)が逃げ切るか、それとも2位のカセロ(スペイン、フェスティナ)が逆転するか?その差は25秒。

天気は良好。マドリッドの町は、すごい人だかりでツール以上の人気ぶりだ。カセロがスタートし、セヴィーリャがスタート台でインタビューを受け微笑みながら、スタートを待つ。スタート直前まで、インタビューされるあたり、ツールでは絶対見られない光景だ。

セヴィーリャが最後のステージをスタートした。先に出走したカセロより勢いある。最初のタイムが出た。セヴィーリャの方が2秒速い。カセロはマイペースで進む。次のタイム表示では、2人の差は0秒。互角だ。しかし、セヴィーリャは最初に張りきりすぎたのか、14キロ地点ではカセロより4秒遅れてしまう。ここからは、差が徐々に広げられる一方。16キロで11秒。23キロ地点で17秒差。これは、やばいぞセヴィーリャ。カセロは、サドルに座って、足を回しまくる。一方、セヴィーリャは絶えずダンシングだ。そして、ついに両者の差は23秒。セヴィーリャこれ以上遅れると、もう先がない。しかし、無情にもゴール10キロ手前で、35秒差。カセロがトップに立った。カセロは、先にスタートしたエラスを追い越した。セヴィーリャは、見るからに足が重い。カセロ、ゴールまであと少しだ。最後のカーブを曲がって、ゴールに入る。ガッツポーズをしてゴール。あっという間に報道陣に囲まれる。

セヴィーリャは、最後の力を絞ってまだ走っている。ゴール前の1キロ、カセロがゴールしたタイムくらいでセヴィーリャが通過した。セヴィーリャはカセロより1分以上遅れでゴール。最後のステージでカセロが逆転優勝し、ヴェルタ優勝を最後の最後で手にした。

カセロに追いつかれてしまい、一定の差を開けて走らなければならなくなったエラスは、総合3位から4位に落ちてしまった。

  第21ステージ  
1. S・ボテロ(コロンビア、ケルメ) 45分33秒
2. L・レイペイメー(アメリカ、USポスタル) 14秒遅れ
3. D・ミラー(イギリス、コフィディス) 37秒遅れ
4. A・カセロ(スペイン、フェスティナ) 45秒遅れ
5. K・モレー(デンマーク、Milaneza-MSS) 56秒遅れ
  総合成績  
1. A・カセロ(スペイン、フェスティナ)  70時間49分05秒
2. O・セヴィーリャ(スペイン、ケルメ)     47秒遅れ
3. L・レイペイメー(アメリカ、USポスタル) 2分59秒遅れ
4. R・エラス(スペイン、USポスタル) 3分56秒遅れ
5. JM・メルカド(スペイン、iバネスト.com) 5分45秒遅れ

【千穂のちょっとした話】
最後に個人タイムトライアルだとかなりのプレッシャー。「25秒差なら、最後のタイムトライアルで勝てるよ」と言うとおり、29歳のカセロの完璧な逆転優勝でした。セヴィーリャのママは、ゴールで泣いていました。セヴィーリャは悔しいでしょうが、25歳とまだ若いので来年からが楽しみです。

フランスのテレビでは、レースが終わったあとから中継が始まりました。こうなるだろうと、今日は辞書片手にフラマン語のベルギーチャンネルで生中継を見てました。タイムトライアルは、タイムがポイントなので、「ヴィルティン、ヴィルティン」「ヴィール、ヴィール」と、必死に数字を聞き取ってました。いや〜、難しい。
フランス語の方が、よっぽど簡単です。私がヴェルタを生で見ているころ、トラックの世界選手権のケイリンで、大落車があったようです。4選手がぶっ飛んで、ゴールしたのは2人のみ。フランスのエース、フロリアン・ルソーも巻き込まれたようですが、骨折はしていず大した事はなかったようです。日本選手は決勝に出ていません。残念…


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